離島の働く教会長の備忘録

天理教の信仰ブログです。

御守護!!

 

「御守護をいただく」

 

教内で良く耳にする言い回しだ。この場合の御守護とは望み通りに成ったという意味で十中八九間違いないだろう。

 

身上の障りを御守護いただくの意味は病気の平癒を意味するし、事情を御守護いただくは問題が思い通りに解決した時に使われる。

 

人間は誰しも自分の思い通り事が運ぶことを望む。誰だって自分の思い通りに事が運べば嬉しい。だからどうすれば自分の思い通り事が運ぶのかを考える。だからを積もうとするし、に沿う努力をする。全ては人生を自分の思い通りにしたいから。

 

もちろん、そうじゃない人も一定数はいる。それでも圧倒的に自分の思い通りの人生を送りたい人が多い。

 

自分の望み通りに成ってきた姿は御守護でそれ以外は御守護ではない。この認識は正解なのだろうか。

 

答えはである。これは断言してもいい。

 

何故ならば、御守護なくして、この世界は存在し得ないからである。この世界で起こる全ての事象は御守護の中で起きているという事が大前提にあるのだ。

 

昨年から猛威を振るう新型コロナウイルスこのウイルスの蔓延により、人間の生活は一変した。しかしながら、この事象も御守護の中で起こっている。これは紛れもない事実で、決して揺るがない。

 

この新型コロナウイルスの蔓延は、人間には非常に都合の悪い事象である。しかしながら、世界(天然、自然)の生態系を揺るがすものかと言われれば、答えは否である。

 

自然界にしてみれば、この新型コロナウイルスの蔓延は長い歴史の中で起こった一つの出来事に過ぎない。そこにはもない。それを悪い出来事にしているのは、人間の認識である。何故ならそれは、人間にとって都合の悪い事だからである。

 

人間が今、気づくべき事は、大前提であると思う。人間が存在しているという事においての大前提。人間はこの世界(地球)がなければ生きていけない。それが大前提である。人間がこの世界を創ったのではない。この世界の長い歴史の中で人間という生物が誕生した。これが大前提なのである。

 

人間は、知的で高度な技術を有し、素晴らしい文明を築いた。故に、存在している事においての大前提を忘れている人達は多い。

 

しかしながら、人間は御守護無くして生きていけない。この世界で起こる全ての事象が御守護の中で起こっている。であるなら、その御守護の中で、自分たちの領分を弁え、ベストを尽くしていくしかないと思う。

 

ただ収束や終息を望むばかりではなくて、この事象が起こっている世界の中で自分たちが何を考え、どうすべきなのかに重きを置いて考え、行動すべきではないかと思う。

 

この事象も人間の成長には欠かせない御守護なのだろう。